概要

IDDatasheet::00019 (Last update:2019-08-01 23:54:22)
タイトル削岩機ロッドの疲労破壊
言語ja作成者山際謙太(JNIOSH)
材料鋳鋼破壊機構疲労破壊/延性破壊
実機/実験実機環境屋外・大気中
破面生成の概要
削岩機を用いて工事中に突然削岩機のロッドが折れた。
観察者のコメント
全体にわたり平坦な破面である、ラチェットマーク(A)があることから、金属疲労の破面であることがわかる。また、ビーチマークも観察される。したがって、疲労き裂の起点はA部であり、残存破面(C)は70%程度である。ラチェットマーク付近に凹みがある。また、ビーチマーク付近では、ストライエーションが観察された。
よって、凹みを起点として、疲労き裂が進展し、破壊に至ったと推定する。

ビーチマークがしゅう曲しているのは、結晶組織の影響と考えられる。高周波焼入れにより、周辺部はマルテンサイト、中央部はフェライト・パーライト組織である(外観写真2。これとしゅう曲している半径方向の位置が対応していることから、高周波焼き入れにより生じた圧縮残留応力の影響により、周辺部と中央部に亀裂進展速度の差が生じた。ビーチマークはこの速度差の影響によると推定される。

外観写真

外観写真 番号1
破断した削岩機ロッドの外観
外観写真 番号2
破断面の外観
外観写真 番号3
結晶組織の違い
外観写真 番号4
ラチェットマークの拡大

破断面SEM写真

破断面SEM写真 番号1
ラチェットマーク付近。凹みが観察される。
倍率 60
画素数 [1250,935]
破断面SEM写真 番号2
ストライエーション状模様が観察される。
倍率 1200
画素数 [1250,935]

関連資料

関連資料 番号1
削岩機